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千座の置き戸 -第16回  制限選挙-3/3

毎月 塾HPに掲載しております。 千座(ちくら)の置き戸
12月1日掲載分原文は こちら です。 
今回は衆議院議員選挙に合わせた 選挙について
ブログ用に私たちが慣れた仮名遣いのものをこちらには掲載いたします。


 そのために、このような差別を受けずに立候補しようとする場合には、①政党として認められている政治団体に所属している人か、②政党として認められていない政治団体の場合は、公職選挙法4条により衆議院の議員定数475人のうちの10分の2以上の候補者を立てているときの、その政治団体に所属していなければらないことになります。

 ですから、自己の政治的主張が政党要件を満たす既存の政党が掲げるものとは異なる者が立候補する場合は、自らが新規の政党(政治団体)を結成し、あるいは、自己の主張と同じくする政党(政治団体)に所属する者として立候補することになります。

 ところが、その場合は、衆議院議員定数475人の10分の2に相当する95人を立候補させることが必要となり、これを比例区で全員立候補させようとすると、一人当たり600万円の供託金(合計金5億7000万円)が必要となります。こんな多額の資金を調達できるのは、零細弱小の政治団体では全く不可能ですし、法定得票数に達しなければその全額も没取されてしまうのです。

 これこそ実質的に、被選挙権を不当に差別するもので、明らかに「法の下の平等」に違反するものであって、形式的かつ形骸化した意味で「法の下の平等」に違反するとする「一票の格差」の類いではないのです。

 候補者は、有権者の要望とは無関係に不公正に選定がされ、その候補者の中から代表を選ばなければならない制限選挙制になっているのですから、そのことは香港と実質的に何ら変はらないのです。

 政治にもレントシーキング(rent-seeking)があるということです。レントシーキングというのは、富裕層や大企業が政府や官僚に働きかけ、富裕層(大企業を含む)が自己に有利な法令を成立させ、産業振興などの産業政策の名目で、極めて安価にて国家財産(土地、鉱業権などの公共セクター)の払い下げを受け、又は、規制緩和による便益を優先的に受け、あるいは特例的な優遇(貿易、店舗展開、販売活動などについての有形無形の優遇)を受けるなどして、高い収益率や利益率を独占的に享有する大きな便益を政府からの「贈り物」として搾り取る活動のことです。

 そして、これらの活動によって富の収奪が加速します。このようにして、経済の世界では、「経済財閥」が強大化することによって、「財力格差」が生まれ、それが拡大増幅するのです。これと同じように、政治の世界でも、既成政党という「政治財閥」が強大化することによって、「政治格差」が生まれ、候補者(被選挙権者)が実質的に制限され、それが固定化します。「政治家の世襲制」は、その固定化の現象の一つです。

 既成政党公認の候補者と無所属や新規政党の候補者の取り扱いは、メディア報道においては完全に差別され、しかも、それによって法定得票数以下の得票しか得られなかった候補者が納付した選挙供託金は、「懲罰的」に没収されます。得票数が少ないことが、どうして没収という不利益処分を受けることになるのでしょうか。

 経済の世界では、「財力」を寡占する「財閥」の増大によって「経済格差」が広がり、政治の世界では、「権力」を寡占する「政党(政治財閥)」の増大によって、大半の国民から被選挙権が奪われて行く実質的な制限選挙制度という「政治格差」が広がります。まさに、経済の世界と政治の世界とは、このような相似性があるのです。

 つまり、わが国こそ、「一生の格差」を是正するための、「ひまわり学生運動」や「雨傘革命」が必要なのです。この論理によって、多くの志ある人たちが、それぞれ訴訟を提起する必要があります。一票の格差の是正といふ形式論の訴訟よりも、一生の格差の是正という実質論の訴訟の方が、世の中のためになるのです。
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