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千座の置き戸 -第16回  制限選挙-2/3

毎月 塾HPに掲載しております。 千座(ちくら)の置き戸
12月1日掲載分原文は こちら です。 
今回は衆議院議員選挙に合わせた 選挙について
ブログ用に私たちが慣れた仮名遣いのものをこちらには掲載いたします。


 そこでは、①政治の空洞化、②立候補供託金制度の問題点、③政党助成法の問題点などを指摘し、選挙運動の制限によって新規参入を阻む既成政党とメディアとによる「政治カルテル」があることを指摘しましたが、この傾向は、現在ではさらに一層顕著になってきています。この論文で述べた問題点は、まさに現在進行形の問題なのです。

 教科書的理解では、わが国は、戦前から戦後にかけて制限選挙から普通選挙へと移行し、拡大した選挙民の政治的意見を国政に届けるための導管的役割として「政党」があるとして、政党が法制度においても公式に認められるようになったと説明されています。

 ところが、現在の政治状況は、こんな空虚な説明とは全く乖離しています。いまやわが国は、実質的には「完全な制限選挙制度の国家」となっているのです。

 台湾では、平成25年6月21日に、馬英九政府が国民に全く知らせないまま、中国との「サービス貿易協定」に調印したことを突如発表し、平成26年3月17日に立法院(国会)でこれを強行採決したことから、翌18日の夜に、これに猛反発した学生集団が国会に突入して占拠するという事態が発生し、この行動は広範な一般国民の支持を受けました。これが太陽花學運(ひまわり学生運動)と呼ばれるものです。

 そもそも、政治と経済とは「経世済民」として一体のものなのです。経済問題と切り離した政治問題、経済問題と無関係な政治問題というものは全く無意味であることを台湾人は実感しているのです。

 そして、この台湾の「ひまわり学生運動」の影響を受けて、平成26年9月28日からの香港で「雨傘革命」という民主化運動が展開されました。
 平成9年7月1日に英国から中国に香港が返還され、昭和59年12月の英中共同声明によつて、①香港では外交と防衛を除いて大幅な自治権が与えられ、②資本主義制度と生活様式も50年間は変更しないという一国二制度が認められました。

 つまり、香港は、「京人治港」ではなく「港人治港」であると北京政府は約束したのです。「京」とは「北京」のことで、「京人」とは北京人(中国政府=共産党)のことです。そして、「港」とは「香港」のことで、「港人」とは香港人のことです。そして、「治港」とは、香港を治めること、すなわち香港人による自治を意味しました。

 しかし、平成元年6月4日の天安門事件後にアメリカに亡命した新華社通信香港支社長であった許家屯の回顧録によれば、鄧小平は「港人治港とは、資本主義を変えないという前提の下での港人治港であり、労働者階級ではなく、資産階級を中心とした政権下での港人治港である」と繰り返し語っていたというのです。

 つまり、これは、「商人治港」ということです。「商人」とは、資本家(財閥、ビジネスエリート)階級のことを意味します。候補者の人選は北京が決めて、香港人が立候補することはできません。被選挙権についての典型的な制限選挙なのです。

 共産主義を指導理念とする中共政府が、「労働者階級」の自治を認めず、「資産階級」による統治を認めるというのは、明らかに思想的な論理矛盾ですが、もし、香港でこれを認めてしまうと、それが大陸にも波及して共産党一党独裁体制が揺らぐことを恐れているからです。
 ところが、このようなことは、台湾や香港だけの問題ではありません。香港人が自由な意思によって政治参加できないという制限選挙制度なので、わが国とは事情が違うというように思っている日本人が人が多いと思いますが、決してそうではないのです。

 わが国の選挙制度は、香港ほど露骨な制限選挙ではないとしても、極めて巧妙な方法で、これと同じやうな、あるいはそれ以上の制限制度になっているのです。

 つまり、政党助成法などであつく保護された政党は、いわば「政治財閥」です。新たに政党を結成しようとしても、多くの資金が必要になり、いわば「新規参入」することが事実上困難です。政党助成法によって資金が交付される政党は、既成政党のみであり、これから新規に結成する政党へは助成はありません。

 独禁法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)は、経済活動の領域のみに限定されるもので、政治の領域には及ばないので、経済の世界以上に、政治の世界では寡占が進んでいるのです。
 そして、政府公認の所定の政党要件を満たす政党であれば、政党助成法による助成金を受けられ、選挙運動においても、所定の政党要件を満たせば、それ以外の政党の候補者や無所属の候補者とは、公報やマメディア報道による取り扱いなどに大きな違いがあり、明確に「差別」されるのです。

 具体的に言えば、既成政党のうち、衆議院議員総選挙(小選挙区比例代表並立制)で比例区に立候補できる条件としては、政治団体のうち、所属する国会議員(衆議院議員又は参議院議員)を5人以上有するものであるか、近い国政選挙で全国を通して2%以上の得票(選挙区・比例代表区いづずれか)を得たものということです。これが「政党要件」というもので、これを満たさない政治団体は、完全に差別されるのです。
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