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千座の置き戸 -第九回 ジキルとハイド -4/5 

毎月 1日 15日とに公式ホームページに掲載しています。
千座の置き戸 8月15日掲載分をこちらにも転載いたします。

原文は こちら
ブログ用には原文に一部、読み仮名をつけたり 仮名遣いを変更したものを掲載いたします。



連載 千座の置き戸(ちくらのおきど)

           第九回 ジキルとハイド

                    南出喜久治(平成26年8月15日記す)

さかさまの まじはりあはぬ いひわけを わけずかたれば こころやぶるる
(逆様の交はり合はぬ言ひ訳を別けず語れば心破るる)

その論理破綻の最大のものは、なんと言っても、やはり占領憲法に対する姿勢についてです。占領憲法を憲法として承認しながらその制定過程の問題などを理由に改正しようとする人たちが陥っている倒錯現象のことです。
 その倒錯した論理を端的に説明すると、
1.占領憲法護憲論に対抗するために占領憲法を批判すること。
2.占領憲法無効論に対抗するために占領憲法を擁護すること。
を両建てすることにあります。つまり、議論の相手によって行論や立場を劇的に変えるのです。

 もう少し説明すると、この論理破綻者は、占領憲法について、
3.押しつけられたものとしてボロクソに批判しながら、同じように天皇に対してもそれが押しつけられたのに、天皇の公布がなされたことを理由として有効と判断する。
4.占領下の検閲と言論統制、それに食糧難の中のドサクサで制定されたことは理不尽であるとしながら、良いことも書いてあるととしてこれを歓迎する。
5.憲法として認めるならば厳格に解釈して運用しなければならないのに、平気で解釈改憲をする。
6.9条では軍隊を禁止しているのに自衛隊を認める。
7.交戦権が認められていないのに、自衛権が認められ、しかも自衛戦争ができるとする。

 このような症状は、特に保守風味の言論人やこれに追随する者たちの慢性疾患に特徴的なものです。これらの人は、まさに「アンビバレントな似非保守」と言うべきで、遊び心で漢字を当てはめてみると、「暗媚罵憐徒」がぴったりで、これから「アンビバ保守」とでも呼びましょうか。

 それにしても、どうしてアンビバ保守は、欧米人から植え付けられた理性以外の全てを失った理性のお化け(狂人)になったのでしょうか。日本人の本能(心、魂)を失ったことに気づかなくても、あるいは積極的にこれを失っても生きて行けると思っている似非日本人だからです。もし、占領憲法を憲法として無効であると主張すると、これまでの主張の誤りを認めなければならないし、そうするとこれまで占領憲法を憲法として有効としてその改正をしようとのしてきた運動の仲間との共同意識が破綻し、自分も村八分にされることが怖いからです。その恐怖にさらされる不利益と、これまでとおり占領憲法改正論を唱えて仲間との連帯を続けることの利益とを比較すると、占領憲法改正論を唱え続けることが私益になると判断しているからです。これこそが理性ならではの計算であり、公益よりも私益を優先することに罪の意識を感じなくなってしまったからです。

 今年の7月1日に、交戦権が認められていない占領憲法でも集団的自衛権の行使が容認されるとする閣議決定がなされました。ほとんど換骨奪胎の内容でしたが、占領憲法の実効性を否定し、帝国憲法の実効性を回復した点において歓迎すべきものでした。もともと、占領憲法は憲法ではないので、これは「解釈改憲」ではありません。閣議決定という方法で占領憲法の解釈が変更されるのですから、占領憲法には憲法としての規範性、実効性がないことになり、このことは、真正護憲論が正しいことの有力な根拠になります。ですから、帝国憲法に適合しうる限度において、いくらでも解釈の変更をしてもよいのです。

 ところが、残念なことに、国民の大半は、占領憲法を憲法だと未だに信じている「占領憲法真理教」の信者たちですから、集団的自衛権の行使容認を認めるための正規の「明文改憲」の手続を行うのは絶望的であるので、仕方なく詭弁を弄して「解釈改憲」をするのですが、まともな神経の人であれば、これが詭弁であることを自覚していますので当然に後ろめたさを感じているはずです。
 これを肯定する人たちは、この詭弁の矛盾を押し通すことの内的な葛藤による精神的不安定を、自己防衛的になんとか安定させ、自らに言い聞かせる自我の働きとして、集団的自衛権を認めることによって日米共同による戦争抑止力が高まとか、我が国の立場で戦争抑止力の整備をする必要があるとかとする防衛実益論で議論を誤魔化して逃げようとします。このような自我の働きは、「防衛機制」と言ひますが、こんな人格障害者による説明では、多くの人は到底納得できません。

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