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原発汚染水問題を考える

福島第一原発における事故が発生して2年半が過ぎた。野田前首相は事故の終息宣言なるものを出したが、現時点においても放射能は漏れ続けている。どこが終息したと言えるのか、全く疑問に思う。原発事故がこうも短期間に終息することは原子力の本質から考えるとありえないのである。事故発生から26年が経ったチェルノブイリにおいてすら、溶け落ちた燃料棒を取り出すことを諦め、石棺で原子炉を覆うしか方法はなく、周囲にはまだ高い放射線が漂っている。

さらに、福島の場合、原子炉を冷やすために大量の水が使用された。その一部は大量の大きなタンクに集められているが、相当の汚染水が海に流出したのである。安倍総理は東京オリンピック誘致に向けたプレゼンテーションで、この汚染水はコントロールされているという「嘘」を強調した。しかし、専門家の多くは汚染水がコントロールされていることを否定している。一方、専門家の間では汚染水の漏れを防ぐために地下に遮水壁を建設するという案も浮上しているらしい。発電所の敷地全体をコンクリートの壁で多い、海に流出する汚染水を食い止めようとする計画である。しかし、これはコストが膨大である上に、汚染水が結局は地下水に流れ込むことになる可能性があるらしい。そうすると、飲水に汚染水が混じるという最悪のケースも想定される。

どうして、原子力のような一度事故を起こすと取り返しのつかない代物を日本人は扱うことになったのか。その思想的背景には、やはり現代日本人が利便性を追求する「権利」があるものと錯覚し、ひたすら自己の幸福のみを追求してきた「占領憲法的世界観」が垣間見える。占領憲法における人権思想は西洋型の近代個人主義の系譜に由来する。個人は生まれながらにして自由であるという思想だ。これは裏を返せば、人間という存在はあらゆる制約から身を振りほどいているということを意味する。もう少し簡単に言うと、何をしても良い権利があるということである。そんなことあり得るだろうか。人は生まれながらにして、自然の制約、社会の制約、家族の制約・・・あらゆるしがらみの中に身を置いているのである。従って、個人は自らの自由の限度を悟らなければならないのである。

一度事故を起こせば、甚大な環境汚染をもたらし、使用済み核燃料を100万年以上も保存管理しなければならない、人知を遥かに超えた原子力を自らの利便性に使うとは・・・本来の日本人ではあまりにも畏れ多くて、できるはずもない。これを許すのも西洋型の人権意識が成せる技である。

以下、上述の内容と関連する環境問題に関する文脈を南出喜久治氏の著書『こころのおきて』から引用した。

《環境問題は占領憲法では解決ができない。
特に、環境破壊に対する規制について、占領憲法では論理的根拠を持たないのである。占領憲法の論理よれば、以下のとほりとなる。

人の営みは、多かれ少なかれ自然環境を破壞して行はれる。それは、生産者であろうが消費者であろうが同じことである。その営みは、それこそ人権の行使であり自由の謳歌ということになる。それゆえ、人には、自然環境を破壞することがある程度認められる権利があると認識できることになる。

たとえて云うならば、ここに十人の人がいて、それぞれコップの水の中に微量な毒物を投与できる権利があるとする。一人の投与する毒物の量は致死量ではないが、十人分だと致死量になるとする。そして、この水をある人が飲み干すことになっていると仮定する。十人がそれぞれ毒物を投与したことは許される行為であるが、飲み干した人は確実に死ぬ。この場合、飲み干して死んだ人は、実は「地球」であり、そして、毒を投与した人は地球人であるとの喩えである。こんな矛盾が占領憲法から導かれる合理主義の現代人権論に潜んでいる。これもまた、人権を超える崇高な価値を認めようとしない結果である。

よく、環境保護団体などが「環境権」ということを主張する。しかし、この環境権を人権の態様として主張し、その運動理念が現代人権論に根差している限り、必ず矛盾に突き当たる。環境保護理念を構築するためには、現代人権論と対決し、新たな人権制約原理を提示せねばならなくなるのである。

これを「公共の福祉」論で説明しようとしても無理がある。仮に、これで説明したとしても、それは人権制約論であって、人権論ではない。っまり、人には「環境権」という権利はなく、「環境保全義務」があることになって、現代人権論は破綻するのである。っまり、現代人権論や個人主義は、前にもその矛盾を説明したが、ここでの意味においても、根本問題において破綻しているのである。

それゆえ、これを統一的に矛盾なく説明できるのは、本能論に根ざした國體理念しかないということである。》

参考文献
南出喜久治著『こころのおきて』
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