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青少年のための連載講座第五十五回 家産と貨幣経済(その一)-1/2


毎月塾HPに掲載しております青少年の為の連載講座 をこちらにも貼らせていただきます。
こちらのブログには私たちが慣れている仮名遣に変更し、参考として挙げられている物をリンクをはっています。


(青少年のための連載講座) 祭祀の道

           第五十五回 家産と貨幣経済(その一)

                    南出喜久治
                    平成二十五年十月一日記す

かてともの たみがすべてを つくりだす かねはこれらの あはせかがみよ
 (食料と商品、民が全てを作り出す、通貨はこれらの合はせ鏡よ)

 これから数回に亘って、祭祀生活を維持するための基礎となる「家産」を形成して行くためには、現在の貨幣経済を将来においてどう向き合って行くのか、着地点はどこにあるのかなどについて判りやすく話してみたいと思います。専門的には、國體護持総論第六章『まほらまと』とその増補版を参照してください。

 祭祀の道第四十六回『賽銭箱と貨幣経済』でも貨幣について少し話しましたが、神代には貨幣はありません。「貨幣」とは、権力的作用とは無関係に自然流通するものを総称した言葉であり、そのうち、権力により、貨幣価値の存在とその流通を強制したものを「通貨」と言いますが、もし、神代に貨幣ないしは通貨が必要であるとすれば、神代の世界は、貨幣経済ということになります。つまり、今の人間の世界と同様に、貨幣を媒介手段として商品を交換する世界ということになりますが、そんなものが自己完結で営む神代の世界であるはずがありません。神が全知全能であれば、貨幣を通貨として通用させることを、一体誰が誰に対して命ずるといふのでしょうか。ですから、神の存在と貨幣ないしは通貨の存在とは全く矛盾するのです。

 神から退化して地球上に生を承けた人類が、もし、自給自足して生活できる能力がなければ、人類は疾うの昔に滅亡していたはずです。ですから、人類は、与えられた本能に従って修理固成して創意工夫し、種の保存、子孫繁栄のために自己完結的な自給自足生活を維持してきたのです。

 つまり、とほつおや(御先祖)は、大家族、氏族、部族という重畳的な村落共同社会(ゲマインシャアト)の中で、物を作り、育て、使ひ、その智恵と技能を子孫に伝承して自給自足の生活を営んできました。自給自足の生活を営むことは、自分だけのためではありません。祖先から受け継いたものを子孫へと長く伝承して、代々に亘って家族を守り続けるためなのです。つまり、家産とは、個人の私有財産ではなく、家族が代々承継して行く共同財産なのです。個人が勝手に処分したりすることができないものです。個人財産はその個人が亡くなれば、別の個人が相続として受け継ぎますが、家産は、親、子、孫と家族の構成が変わっても、代々家族として変わらずに受け継がれるものです。
 「相続」という概念は、本来は「祭祀の相続」、「家産の継承」を意味するもので、決して、個人の財産を特定の親族の誰かが個人的に受け継ぐという意味ではなかったのです。

 このようにして、御先祖は、家族全体で祭祀と家産を承継してきました。そして、その家族の構成は、近親者から親戚、遠縁に至るまで際限なく広がって、家産の集合体である部族の村落を形成して大家族となるのです。その村落の人数が増えてくると、自給自足生活をすることに限界が生まれて飽和状態になると、別の場所に新たな家産を求めて新たな村落を作ります。このようにして、部族が地域的に広がって行くのです。

 そして、大家族、氏族、村落、さらには、同じ部族内では、村落の連合体として自給自足による自己完結的な生活をしてきたのです。大家族の中で自給自足できるものは大家族の中で生産と消費がされます。また、物によっては、もう少し広げて氏族、部族の村落ないしは村落連合体の中であれば自給自足できるものがあり、まるで同心円のように自給自足可能な閉鎖的な共同社会の領域が決まります。

 そして、その共同社会内において、生産の効率を高め、消費の節約を図ろうとする工夫がされます。そうすれば生活が豊かになる潤いがでてきます。その方法としては、生産面では、個々人による生産技術の熟練化と、一斉に共同作業を行うことによる効率化です。そして、作業の分担化と専門化です。ここに、分業化が芽生えてきます。

 分業化を進めることによって効率が上がります。同じ部族内であれば、分業化は他の者との共同連携がなされることが大前提になりますので、分業者同士が信頼し合うことがなければ実現できません。同じ血縁の部族の者同士であるということは、揺るぎない信頼の基礎となりますが、血縁のない他の部族との間ではそうは行きません。そのために、他の部族との間で、分業を広げて交易をするには、その他の部族と血縁関係を持つことが条件となります。
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