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真正護憲論の概説=帝国憲法復元改正の手続-7/7

引き続きになりますが、真正護憲論の概説をUPいたします。
前回はこちらです。
真正護憲論の概説=帝国憲法復元改正の手続-6/7

 7 講和条約群の対処について

 このようにして国内的には復元改正するのですが、対外的(国際的)にはどうするかということが次に課題となります。
 ポツダム宣言の受諾と降伏文書の調印によって我が国は独立を失いましたが、サンフランシスコ講和条約で独立を回復しました。これの間を被占領非独立の長い「トンネル」に例えると、ポツダム宣言の受諾とミズーリ号艦上での降伏文書の調印は独立喪失のための講和条約(入口条約)で、サンフランシスコ講和条約は独立回復のための講和条約(出口条約)です。そして、占領憲法が講和条約と評価されることになると、これは、トンネルの中間にある中間条約ということになります。
 すべて同列の講和条約ですから、講和独立した際には、過去の不利益措置が免責されるという救済措置がなされるとするアムネスティの原則が規定されるのが国際慣習法ですが、サンフランシスコ講和条約は、第19条(d)でその例外を規定しています。それは、「日本国は、占 領期間中に占領当局の指令に基いて若しくはその結果として行われ、又は当時の日本国の法律によつて許可されたすべての作為又は不作為の効力を承認し、連合国民をこの作為又は不作為から生ずる民事又は刑事の責任に問ういかなる行動もとらないものとする。」とあり、「すべての作為又は不作為を承認」するとしているからです。この承認された作為又は不作為の中に、占領憲法が含まれるか否か争いがありますが、国際政治の現状からすると、連合国は決して占領憲法はあくまでも自主的に制定した憲法であると主張し、講和条約であることを認めるはずがありません。無効規範の転換は、当事者の意思に基づくものではありませんし、連合国が講和条約ではないと主張しても、国法学的には講和条約に転換しているのです。また、連合国が講和条約と認めないことは、その方がむしろ我が国にとって好都合なのです。
 この講和条約を将来に向かって破棄することについて連合国側から異議を唱えることがなく、破棄することの支障がなくなるからです。
 どうして破棄できる根拠があるかと言えば、それは、「事情変更の原則」です。これによって講和条約の一部又は全部の破棄通告ができるからです。これには国際的にも前例があります。
「日ソ中立条約(不可侵条約)」を残期1年あるのを無視してソ連が破棄して参戦したのも、ヤルタ密約によって国際事情が変化したことを理由とするものですし、日華平和条約も、田中角栄内閣による日中共同声明による「日中復交」の実現という大きな事情変更があったことを理由として破棄しました。
 占領憲法の破棄についても、事情変更の原則が適用されます。それは、朝鮮戦争を契機とした再軍備と、我が国を敵国と規定した国連憲章に基づく連合国の国際組織(国連)に我が国が加入したこと、様々な国際貢献を行い、イラクなどへ海外派兵したことなどから、講和条約としての占領憲法の存在意義を失っていることが理由として挙げられます。
 そして、破棄通告をすれば、今後において占領憲法によって国際的に拘束されることはありません。我が国が教科書問題、靖国参拝問題、A級戦犯合祀問題などの固有の内政事項について外国から干渉されるのは、占領憲法が講和条約であることの証です。占領憲法を破棄すれば、名実共に自衛隊は帝国憲法下の軍隊として対外的に改めて承認され、以後は内政干渉を一切排除することができます。
 ところで、それ以外の講和条約、つまり、サンフランシスコ講和条約とこれと同時に締結した実質的な講和条約である日米間の旧安保条約、その改訂としての新安保条約についてはどうでしょうか。これらは一部又は全部の破棄は、今後の国際政治情勢の分析を踏まえた政治的判断に委ねられることになります。
 そこで、東京裁判(極東国際軍事裁判)などに関するサンフランシスコ講和条約第11条についてだけ述べることにします。いわゆるA級戦犯などの名誉回復措置については政府も国会も既に行いましたので、国内ではこの問題は解決していますが、国際的には名誉回復措置がなされていません。
 サンフランシスコ講和条約第11条には、「日本国は、極東国際軍事裁判所並び日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。これらの拘禁されている者を赦免し、減刑し、及び仮出獄させる権限は、各事件について刑を課した一又は二以上の政府の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。極東国際軍事裁判所が刑を宣告した者については、この権限は、裁判所に代表者を出した政府の過半数の決定及び日本国の勧告に基く場合の外、行使することができない。」として裁判の受容をしているからです。
 これを「裁判」と訳すのは間違いで、「judgments」は「諸判決」と訳すべきだとする見解もありますが、どちらにしても、この条項が存続する限り、国際的に戦犯の名誉回復措置がなされことはないのです。サンフランシスコ講和条約の全部を破棄しますと、我が国が独立した根拠すら失うことになりますが、一部破棄なら事情変更の原則により直ぐにできます。日本は犯罪国でもなければA級戦犯の処罰は、罪刑法定主義に違反することを理由に、再審請求に代え第11条を破棄すれば、国際的にも名誉回復措置が実現します。
 これによって、我が国は東京裁判史観に拘束されるのだとする謬論(びゅうろん)から完全に脱却することができるのです。
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