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「立憲主義」について

立憲主義をめぐっては、これまで大学の法学部では「憲法を制定し、それに従って統治する政治の在り方。また、人権の保障や権力の分立が前提とされていなければならない」などと教えられてきました。しかし、この説明は革命を経て最終的には共和制に至った大陸ヨーロッパの憲法理論に基づくものであり、たとえこの理論に「近代法学」なる呼び名が与えられたとしても、革命国家ではない我が国がこれをそのまま憲法理論として採用する訳にはいかないのではないでしょうか。この理論には、憲法を制定する際に為政者の恣意が含まれ、これまでの伝統ではなく個人を前提とするからです。日本は個人=独裁者の国ではありません。

もし、我が国の憲法(のり)の在り方をヨーロッパの憲法理論に準えるならば、大陸のそれではなく、英国のエドワード・コーク卿の考え方に近いのではないでしょうか。コーク卿は、1606年、王権神授説によって「国王主権」を主張する当時の国王ジェームズ1世に対し、「王権も法の下にある。法の技法は法律家でないとわからないので、王の判断が法律家の判断に優先することはない」と諫めたとされています。ここでは、コモン・ロー裁判所裁判官の専門的法判断の王権に対する優位が説かれており、中世的特権の保護から、市民的自由の保護への足がかりが得られるきっかけが作られたといわれています。注1 つまり、この「王権も法の下にある」という考え方は、我が国に置き換えてみると、天皇に主権があるのではなく、「天皇といえども國體にある」という考え方に近いと思われます。この英国のコーク卿の例もやはり近代法学として受け入れる必要があります。「市民的自由の保護」という言葉にあるように、英国における近代の幕開けが告げられているからです。従って、大陸ヨーロッパにおける革命国家の憲法理論だけが近代法学という訳ではないのです。

立憲主義とは、祖先から継承してきた道徳や慣習、伝統などの規範(法)に従って、立法や行政、司法などを行わねばならない、という憲法学上の理論です。つまり、立憲主義とは「日本人らしさ」としての國體を護っていくために、國體に関わる規範である「法」に従って、統治することを意味しています。注2

ここには個人の恣意的な権力により制憲権を獲得するなどということはありません。我が国では、聖徳太子が「憲法十七条」を、北條泰時が「御成敗式目」を制定したとき、これらの人物が単独で恣意的にこのような法令を定めたのではなく、先祖から継承された道徳や慣習、伝統などの規範に則って制定しました。これは帝国憲法についても同じです。帝国憲法の「告文」に次ように書かれています。
 

皇宗ノ遺訓ヲ明徴ニシ典憲ヲ成立シ條章ヲ昭示シ内ハ以テ子孫ノ率由スル所ト爲シ外ハ以テ臣民翼贊ノ道ヲ廣メ永遠ニ遵行セシメ益々國家ノ丕基ヲ鞏固ニシ八洲民生ノ慶福ヲ增進スヘシ茲ニ皇室典範及憲法ヲ制定ス惟フニ此レ皆皇祖皇宗ノ後裔ニ貽シタマヘル統治ノ洪範ヲ紹述スルニ外ナラス [大日本帝国憲法 告文]

これは、正統典範と帝国憲法が皇祖皇宗の遺訓を明徴にして成立したものであり、始めて創設された典憲ではなく、古より世襲されたものの確認であることを意味しているのです。注3 これこそが我が国における「立憲主義」なのです。

私たちは古から続く伝統的な規範の中に生きているのです。ですから、これに反する左翼思想(個人主義、ルソー主義、家族解体思想、フェミニズム、共産主義、フランクフルト学派)は受け入れがたいのです。私個人の見解ですが、左翼思想にも思想上多少は評価する点はあります。しかし、その本質に於いては唯物論が前提とされます。この部分は我々日本人の精神活動とは決して相入れないものです。従って、否定しなければなりません。そして、占領憲法は個人主義であり、ニューディーラーと呼ばれる米国の左翼により起草された経緯があります。しかも、これを「近代法学」と称する大陸の憲法学により説明する人もいます。このことは本来の「立憲主義」を蔑にするものであり、我が国の国体を貶めること以外の何物でもありません。

【注釈】
注1:ウィキペディア「法の支配」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E3%81%AE%E6%94%AF%E9%85%8D 

注2:「第3回 けんむの会兵庫支部講演会」配布資料 

注3:南出喜久治著 『はらひしたまへ』
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No title

引用頂きまして光栄です。有難うございます。

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茶々丸さん

勉強させていただきまして、こちらこそ、感謝申し上げます。
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