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-占領典憲パラダイムの転換を求めて-6/11 【小山常実氏の分断工作】

 ところで、憲法無効論を唱える小山常実氏は、大月短期大学教授であり、新しい教科書をつくる会(藤岡信勝氏主宰)の理事である。私は、これまで担当した教科書裁判に関して、資料を戴いたりして協力してもらったことがある。ところが、『いはゆる「保守論壇」に問ふ<其の四>小山常実氏に対する公開反論』で述べたとおり、『別冊正論 Extra.06』の「日本国憲法の”正体”」に掲載された小山氏の「占領管理基本法学から真の憲法学へ」と題する論文があったが、これには私の見解を全く誤って引用した。つまり、そこには、「この無効確認の効力は、将来に向けてのみ発生するのであり、過去に遡ることはない。実際、無効確認の効力を過去に遡らせようと主張する『日本国憲法』無効論者は、誰一人存在しないのである。」として、私も遡及効がないとする見解であるとしたが、これは明らかに誤りであった。私のいう無効確認決議の効力は、あくまでも占領憲法制定時において無効であったことを確認することであって、将来に向かってのみ無効とするものではないからである。
 私は、その訂正を小山氏と正論編集部に要求し、少なくとも私の反論を掲載するように求めたが、小山氏と正論編集部もこれを完全に無視したことから、一般人の誤解を糺すために上記論文の公開に平成十九年七月に踏み切ったのである。

 ところで、私は、平成二十三年十一月には、占領典憲の無効確認決議を求める参議院に対する請願に参加し、さらに、平成二十四年二月からは石原慎太郎東京都知事が私の見解を受け入れて占領憲法の無効論を主張し、ワシントンでもこれを主張することになったことから、これをさらに支援するために、真正護憲論を支持する同志である土屋敬之東京都議会議員とともに、同年六月八日に東京都議会にも同じ請願を提出し、同月十三日には、土屋氏が石原都知事から占領憲法が無効であることの認識を公式に求める一般質問を行い、石原都知事もこれに答えた。
 そして、これをさらに拡散させるため、土屋氏が関係者に呼びかけをしたとき、その一人から次のような小山氏のメールを転送にて土屋氏が受信した。土屋氏がそのメールをさらに私に送ってくれたものであるが、これは明らかに私と土屋氏とを分断するための工作文書であった。勿論、これに土屋氏は全く影響されなかったが、その内容は余りにも虚偽に充ちており、私の理論を全く理解していないことがよく判る文書である。

「無効な憲法(であり講和条約で有効なものに過ぎないもの)の破棄」などと私は一度も言ったことはありません。無効なものを破棄するというのは語義矛盾です。土屋氏は南出無効論を信じているようですが、南出説と私など通常の無効論とは、百%理論的・政治的に対立する理論です。まだ、内政干渉を招かないだけ、改憲派の方がましです。
一、理論的
そもそも「日本国憲法」は講和条約ではありませんし、私は無効確認しろといっているわけで、破棄しろとは言っていません。破棄しろというのはそれほど害はないのですが、中国や米国に向かって条約破棄通告をするという南出理論は、内政干渉を招きます。南出理論は、無効論を唱える段階ではそれほど問題はないのですが(この部分でも実は大きな問題があるのです。特にハーグ条約を無視する傾向。総じて国際法無視の傾向)、「日本国憲法」が今どういう法として存在しているのか、という問題領域になると出鱈目なことばかりを言います。トータルでは、矛盾だらけで全く成立しない議論です。ほとんどの専門家がそう思っています。唯一の理解者であった渡部昇一氏も、嫌気がさしているようです。
一番端的に出鱈目といえる箇所をあげておきます。南出氏は、ポツダム宣言が入口条約、「日本国憲法」が中間条約、サンフランシスコ平和条約が出口条約であると位置づけていますが、そうであるならば、出口条約が出来あがった時点で「日本国憲法」は失効したことになります。しかし、彼は失効したはずの「日本国憲法」を大日本帝国憲法とともに現在の憲法として確定的に有効だと位置づけているのです。同じ条約説でも、渡部氏は「日本国憲法」は1952年の独立とともに失効したと捉えるようです。通常の無効論は、「日本国憲法」を暫定的に、時限的に有効だとする、あるいは憲法未満のものとして有効とするという工夫を行ってきました。これに対して、南出理論では、「日本国憲法」は確定的に憲法として成立しているのです。入口は憲法無効論ですが、出口は憲法有効論なのです。ですから、詐欺のような理論ですから、偽無効論と言う声が大きくなってきています。
二、政治的
南出理論は、中国を喜ばすだけの理論です。南出氏は条約破棄の通告を諸外国に対して行うといいますが、そんなことをすれば、喜んで中国や韓国は、内政干渉してきます。「俺たちとの話し合いで新しい憲法を作るべきだ、外交交渉で日本の憲法内容を決めよう。君たちの理論では、日本は一度米国を中心にした連合国と条約という形で日本国憲法を作ったではないか、もう一度同じことをしよう」と言ってきます。これに対して、南出理論では反論できないのです。改憲派も護憲派も、理論的にはこのような内政干渉を招きませんから、南出無効論よりはましなのです。なぜ、無効確認しないといけないのか。一言で言えば、独立国の精神の回復です。そして、将来、仮に中国と戦い敗れても憲法を押し付けられないようにする理論的根拠を作っておくことです。ところが、南出理論は、外国に再び押し付けられるような理論装置をつくり出したのです。南出無効論に基づく無効確認・破棄運動とは「予め裏切られた独立党の運動」なのです。
三、背後に何があるのか
振り返れば、実は、南出氏も、かつては破棄などと言うのは語義矛盾だと言って反対の立場でした。そして、条約説は昔から言っていましたが、決して破棄通告するというようなことは言っていなかったと思います(勉強不足なだけかもしれませんが)。破棄通告と言い出したのは、平成18年末頃だったと思います。当時、変なことを言いだしたなと思った覚えがあります。この平成18年末頃から、猛烈に、ネット上で南出理論を宣伝するブログが多数作られていきました。それまで南出理論を説くブログは一つか二つでしたから、異様な感じでした。そして、改憲派は護憲派と同じだと攻撃し、通常の無効論は戦後の秩序をすべてひっくり返すと言っていると嘘の宣伝をし出しました。相変わらず、今もこの嘘宣伝をしています。この宣伝に騙された多くの知識人がいたようです。その筆頭が渡部氏です。平成19年4月に渡部氏との共著である『日本国憲法無効宣言』を出したことによって、南出無効論の信者は一挙に増えました。後でわかったことですが、この年の7月ごろから、私への批判をネット上で行うようになります(きっかけは、私が南出氏の理論を私信で批判したことでしたが、私信レベルの論争を勝手に公のものにしたのです)。また、私に対する反論を書かせろと言って『正論』に文句を付けていたようです。正論は全く相手にしなかったようですが。ともかく、今振り返れば、平成18年と言う年が、日本の保守言論界の崩壊の始まりだったと思います。「つくる会」が分裂し、「新無効論」という名の偽無効論が登場した年です。この年に何がうごめいていたのでしょうか。ここのところ、本当にそう思います。平成19年の時点の私は、偽無効論との戦いをせず、「つくる会」理事となり、公民教科書作成に取り掛かりました。「つくる会」を守る方を優先させました。当時は、南出氏について一定の仲間意識がありましたし、偽無効論とまでは思っていませんでした。また、数回の手紙のやり取りを通じて、氏が、人に対して極めて無礼であり、しかも学問というものがどういうものか全くわかっていないことを知るにつれ、ともかく到底まともに相手にしない方がよい人だとも思いました。そして、何よりも、体力的に到底二つのことはできないという判断から、「つくる会」の活動に集中してきました。ただ、持たない体力ではありますが、私は二つの事を追求したいと思っています。南出理論については、いずれきちんと研究した上で、批判を展開していく予定です。ただ、その前に、育鵬社問題を初め、「つくる会」関係で片付けなければならないことが多数ありますので、なかなか掛かれない状況です。
四、最後に
 無効確認の請願運動自身は意味のあることです。問題は、南出偽無効論の影響を出来るだけ排除することです。それから、あの改憲派を敵に回すような独善的な物言いに染まらないことです。冷や水をぶっかけるようなことを書きましたが、これが今の日本の現実です。 南出理論の問題性については、拙ブログ上の記事や倉山満氏のブログをのぞいてみてください。
「日本国憲法」の性格――平成19年5月5日、『日本国憲法無効宣言』への感想
「日本国憲法」が無効である理由――条約説は成り立たぬ
無効論は「日本国憲法」有効論よりも法的安定性に寄与する――平成19年12月10日
「日本国憲法」無効論を広げるための四つの作業――平成19年12月10日
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