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真正護憲論の概説=占領憲法が講和条約として評価されることの理由4/4

4 占領憲法は国内的にどのように受け入れられているか

 バイパスを通して国内系に入ってくるとしても、占領憲法は表面上は「憲法」の顔をしており、「講和条約」の顔をしていません。ですから、講和条約であると評価するとしても、それを国内的に受け入れること(国内的受容)を義務付ける規定がありません。つまり、立法条約(国内的受容を義務付ける条約)ではありません。ですから、たとえバイパスを通して国内系に入ってきたとしても、改めて立法化されないまま、実際は占領憲法が慣習法的に運用されています。
 ところで、占領憲法には、帝国憲法の本質部分(根本規範部分)に抵触する部分とそうでない部分とがあります。特に、帝国憲法の本質部分に抵触する部分(たとえば国民主権条項など)は、講和条約としても無効ですが、それが実際には運用されてきたことによって慣習化していることになります。慣習というのは、事実としての慣習(事実たる慣習)のことですが、それが慣習法(法たる慣習)に昇格するか否かには争いがあります。
 一般的には、事実の集積とその反復継続が実効性を満たすことによって規範化することはあります。これを事実の規範力と言いますが、あくまでもそれは「法の妥当的な規範意識内容」(尾高朝雄・東京帝国大学法学部教授)でなければならないのです。違憲違法な慣習が「慣習法」となることは原則としてありません。平易に言えば、賄賂や売春などの行為が頻繁に繰り返されたとしても、社会において、これを違法であるとする規範意識が維持されている限り、賄賂や売春などが恒久的に合法化されることはないということです。
 ところが、純粋な国内法体系の場合においてはそのとおりなのですが、国際系の講和条約をバイパスとして経由した場合には、このことがそのまま適用できなくなります。講和大権の特殊性からして、国民主権条項など、帝国憲法の本質部分(規範國體)を改廃する内容(①)については当然に違憲無効ですが、帝国憲法の条項には触れるものの、本質部分以外の技術的規定などの帝国憲法の部分を改廃する内容(②)を含むことがあります。占領憲法は、まさにこの部分については、「違憲の慣習」(違憲状態)となります。これが「事実たる慣習」(慣習)から「法たる慣習」(慣習法)となるかについては見解が分かれると思いますが、慣習法として認められたとしても、それは「違憲の慣習法」という違憲状態が生まれるのです。これは「違憲合法論」という得体の知れない怪物を取り扱う法哲学の領域なのです。
 これに対し、地方自治制度など、帝国憲法に抵触しない部分を改廃する内容(③))は、そもそも憲法事項ではなく法律事項ですから、「合憲の慣習法」ということになります。
 そして、この合憲の慣習法には矛盾はありませんが、違憲の慣習法というのは、二つの矛盾した側面があります。それは、違憲の講和条約でも講和条約として遵守すべきとする法治主義(悪法もまた法なり)の側面と、違憲の講和条約は無効であるとする法の支配(悪法は法にあらず)との側面とが相対立する相剋状態にあります。
 以上を整理しますと、占領憲法の①の部分は違憲無効ですが、②の部分は違憲の慣習ないしは違憲の慣習法として違憲状態にあり、③の部分は合憲の慣習法として認識されるのです。
 このうち、②の部分は、違憲状態が継続しますので、これを受容するか否かは、帝国憲法復元後の改正手続によらなければなりません。帝国憲法の改正は、正規の要件と手続を経てなされるものでなければ無効ですが、講和大権は、国家の滅亡を防ぐために、帝国憲法の根本部分を否定しない限度において、帝国憲法に抵触する内容を含む講和条約を締結する権限があります。このバイパスの存在が、帝国憲法体制と講和条約体制との相剋を生む原因となっているのです。
 そして、帝国憲法下で締結されたものと評価される占領憲法が、独立後においても時(じ)際(さい)法(ほう)的(てき)処(しょ)理(り)(帝国憲法第76条による独立前の法令の整備処理)がなされていないことから、国内法秩序には正式に編入されていないために、世界でも稀な法体系となっているのです。
 これらは法哲学の本源的な議論ですので、少し難しくなってきましたが、要するに、このような異常な二律背反の相剋状態があるために、立法、行政、司法のすべての政治の領域で影響を受けることになります。法の支配(帝国憲法体制)と法治主義(講和条約体制)の間を振(しん)幅(ぷく)することが国政の混乱する原因を作っています。このような異常で不安定な法体系の状態を一日も早く解消して奇胎の占領憲法から生まれてくる「違憲の慣習法」という怪物を退治をするために、速やかに占領憲法が無効であると確認し、法の支配(國體の支配)を確立して祖国を再生しなければなりません。
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