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憲法に妥協はなし

前回(3月7日の記事)に続き、今回も、チャンネル桜・水島総社長のコーナー『直言極言』での「国民運動、原理主義と現実主義の狭間で」と題した放送(3月2日)について考えてみたい。水島社長は次のような主旨のことを発言した。

日露戦争後、日本がやっとの思いで勝利をおさめ、もはや戦費も底をついたあと、小村寿太郎は妥協を重ねポーツマス条約を結んだ。しかし、小村が帰国すると、その内容に不満を持った人々から轟轟たる非難を浴びせられたという。また、IRA(アイルランド共和軍)のマイケル・コリンズはアイルランド独立に心血を注ぎ、ようやく、英国からの独立交渉に漕ぎ着けたが、英連邦に忠誠を誓うとの妥協的内容であったため、売国奴呼ばわりされたという。水島社長はこれら歴史上の人物を日本の憲法問題と関連させ、占領憲法は本来無効であるから、これを破棄し帝国憲法を改正することが原理的に正しいが、これまで国のために尽力してきた改憲派を売国奴と呼ぶことは、愛国者である小村寿太郎やコリンズ・コリンズを非難するのと同じやり方だと評した。そして、無効論は「原理主義」であるのに対して、改憲派は妥協的ではあるが、現実的であるとする発言を行ったのである。前回、無効論、特に真正護憲論(新無効論)が改憲論よりも実現性が高いことを述べた。従って、今回これは省略したい。 

水島社長が挙げた小村寿太郎とマイケル・コリンズの例はこの場合絶対に不適当である。なぜなら、これらの人物が妥協したのは国際条約においてだからだ。これと同列に国内問題である憲法問題を扱うこと自体がそもそもおかしい。まず、国際条約とは当然のことながら妥協を避けられない場面の連続だ。例えば、占領憲法(=講和条約)をやむを得ず呑まれた先帝陛下のお気持ちもそうであったはずだ。次の御製をどう受け止めるか。「国がらをただ守らんといばら道すすみゆくともいくさとめけり。」そして、玉音放送のあの有名なお言葉もそうだ。「時運の趨く所堪え難きを堪え忍び難きを忍び。」

これらから、国際間においては妥協と苦渋の選択が避けられないことがよく分かるだろう。しかし、ではなぜ、国際条約において妥協が許されるのかを考えてもらいたい。それは、国家、あるいは民族には揺るぎのない基軸が存在しているからである。そして、その基軸が損傷しない限りにおいて妥協が許される。また、逆にその基軸を護るために妥協せざるを得ないこともある。国家とは揺らぐことのない基軸を信頼し他国との厳しい折衝に挑むものだ。その基軸が強ければ強いほどタフな交渉を乗り切れる。軍事力だけでなく、むしろ精神的なものが大きなウエイトを占める。我が国における基軸とは、もちろん、天皇を中心とする国体である。これがブレないからこそ、戦前・戦中までの日本は強かった。

ところが、水島社長は、占領憲法が無効であると認識しておきながら、時事問題に揺さぶられ、改憲や自主憲法制定をいとも簡単に容認してしまっている。改憲や自主憲法制定は我が国の国体を真っ向から否定する国民主権の賜物である。このように、最初から基軸を放擲し、軟弱で安易に妥協を模索する姿勢は自己否定に他ならない。これはなんら寛容ではない。確かに、我が国は寛容を重んじることで、臣民が一丸となり、対立する意見の違いを乗り越えてきた。実際に、寛容の中から我が国独自のしなやかな文化が育まれてきた。しかし、国体を安売りしてはならない。また、同時に行き過ぎた寛容は我が国の欠点であることにも気付かねばならない。実際に、外国勢力はいつもそこを突いてくるではないか。

憲法問題は国家の基軸、すなわち、国体に関わる問題である。このように、最も重要な問題において最初から妥協を模索するようでは、国際社会では確実に死を意味する。弱すぎるのだ。マイケル・コリンズは結果的に妥協したが、それまで、彼はアイルランドの民族性を頑なに守ってきた。強かったのである。だからこそ、妥協に踏み切れた。もし、基軸がブレたまま妥協をすれば、その末路は外国に支配されるだけである。

(なお、このブログ記事は水島社長を攻撃することを目的としていない。筆者は水島社長の国を想うお気持ちとこれまでの活躍を高く評価し、また尊敬もしている。ただ、無効論に対する誤った認識が広まらないよう、お願いしたいだけである。)
  
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No title

はじめましてどうぞよろしくお願いします
さてチャンネル桜さんの「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」で
憲法記念日近くに、「憲法大討論」をするそうです。

水島社長曰く「無効論、廃棄論、改正論さまざまありますが、腰を
据えてやりたいと思っております」とのことです。南出さんは、
出演されるのでしょうか?ぜひ出演していただきたいです。

【国内政治】政界と官界の混迷、新しい流れと古いもの[桜H24/4/5]
http://www.youtube.com/watch?v=LWIkhSlhIqM

※討論について7分00秒~
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