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祭祀と言霊

ひをむかふ みてくらたてよ いつきせむ なこそおしめや ことたまのひと
 (靈を迎ふ 幣立てよ 齋せむ 名こそ惜しめや 言霊の靈止)


そもそも「こと」(言)とは何でしょうか。これまで、いろいろな識者が説明していますが、私としては、数の「こ(九)」と「と(十)」が合わさったものではないかと考えています。
五十音の行数は十行であり、これは、一から十までの「ひふみよいむなやこと」が数字の基本と一致しています。前回のおさらいですが、「人(ひと)」とは、「霊止(ひと)」のことです。一から十までを大和言葉では「ひふみよいむなやこと」と言いますが、この初め(ひ)から終わり(と)までのすべての数霊の性質を持って生まれたのが人(ひと)です。そして、その「ひふみよいむなやこと」のうち、一番大きな奇数と偶数とを重ねて「ことのは」ができたという理解です。ちなみに、冒頭の「ひをむかふ みてくらたてよ いつきせむ なこそおしめや ことたまのひと」の歌は、五句のそれぞれ初めの字と終はりの字をつなげると「ひふみよいむなやこと」となり、言霊が正しく響くことを願っての歌です。

この奇数と偶数の意味は、陽と陰、雌と雄の一対を示しています。古事記、日本書紀にも天地開闢におけるイザナキとイザナミの二柱の神々の「キ」と「ミ」の呼称は、「キ」が男子、「ミ」が女子の神名の区別になっているとおり、「キ」と「ミ」は、雌雄一対によって完成する姿を意味します。そして、これが目合い(まぐはひ)をして天地が創造されるという完全性を意味することになり、国歌「キミが代(君が代)」とは、そのように理解されるものなのです。

これと同様に、遺伝子学とも符合するように、奇数(男子)と偶数(女子)とが交わって言葉(ことのは)が生まれるのです。これまでの言語学では、五十音図でいふと、「あかさたなはまやらわ」の十行を「子音」と呼び、「あいうえお」の五音を「母音」と呼んできました。しかし、「子」と「母」で言葉が生まれるということはありえません。父性の欠落です。これは天地の摂理に離反した認識に他なりません。「父」と「母」とによって子供が生まれるように、これまで「子音」と呼んできたものを「父音」と訂正し、これまでとおり「母音」を「母音」として、「父音」と「母音」とが目合って子供(言葉)が生まれると認識すべきです。つまり、「こ(九)」という奇数(男意)である「父音」と「と(十)」という偶数(女意)である「母音」とによって「ことのは」(子供)が生まれたとすることが素朴な理解なのです。

このように言霊の意味を理解すれば、祭祀を考えたこともなく、その実践を全くせずに、言霊の学問的研究だけに現(うつつ)を抜かしている理性論に溺れた学者では、永久に言霊の意味は理解できないことになります。言霊の学問的理解などは本来は不要です。言霊とは、聖なるものであり、同じく聖なるものである父母と御先祖様(祖霊)への感謝を捧げる祭祀と一体であることが判れば、それで十分なのです。言霊の世界もまた、論理の世界ではなく、実践の世界です。祭祀と同じなのです。そして、祭祀は「感謝道」なのです。しかも、単なる感謝ではなく、かたじけなや、申し訳けなや、という「おそれおほき道」なのです。そのために、清い言葉によって世界を浄化することです。論語に、「徳は孤ならず、必ず隣あり(徳不孤、必有隣)」という言葉があります。徳とは、まさに祭祀の実践であり、祭祀を実践している限り、人は決して孤立するものではありません。必ず賛同し共鳴した同じ実践者が現れます。実践は実践を生むのです。だから毎日欠かさず実践すしてください。なお、毎日の祭祀の実践のことについて少し補足しますと、礼記には、「祭(まつり)は数(しばしば)するを欲(ほつ)せず、数(しばしば)するは、即(すなは)ち煩(わづ)はし」(祭不欲数、数則煩)とあります。これは、「ハレ」の祭礼について言ったもので、普段(不断)に行う日常の「ケ」の祭礼についてではありません。頻繁に祭礼をすると煩はしい気持ちが起きて、礼を欠くことになることへの戒めです。しかし、ことさらにハレの祭礼をすることはありえません。意味のないときにハレの祭礼はしません。頻繁にハレの祭礼がなされるとしたら、それは偶々そのような月回りによるもので、それを煩わしいとすることは祭祀の意識が低いからです。ましてや、ケの祭礼による毎日の祭祀は、毎日の生活ですから、その生活を煩わしく思うのは、生命力が低下していますので、言霊の力を借りて生命力を高めてください。


青少年のための連載講座【祭祀の道】編
第四回 祭祀と言霊 から一部抜粋


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