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「女性宮家」を議論する前に

天皇陛下がご退院されたのも束の間、宮内庁の羽毛田長官は野田総理大臣に「女性宮家」の創設を申し出ていたことが明らかとなった。これをあえて好意的に受けとめてみると、長官は皇室を預かる立場として、皇族の数が減少していることを憂慮したものと思われる。現在の皇室は天皇陛下と22人の皇族で構成されており、男性皇族が7人いらっしゃるものの、そのうち4人がご高齢で、このままでは、悠仁親王がご成人なさる頃には皇族の数がさらに減少していることは否めない。従って、皇統断絶を防ぎ、皇室の繁栄を考えるとなると、何らかの手を打つ必要がある。このような理由から、今回、「女性宮家」の創設が俎上に上ったものと思われる。しかし、今回の「女性宮家」は単に皇室公務の補助的役割を目的としているのではなく、女性天皇の容認、ひいては女系天皇の容認にまで踏み込む可能性が示唆されている。

2005年、小泉政権の下、「皇室典範に関する有識者会議」が開かれたが、その会議の報告書では、(1)女性天皇・女系天皇の容認(2)皇位継承順位における長子の優先(3)女性宮家の創設が提唱される結果となった。そして、この度の羽毛田長官の進言は、この報告書の(1)と(2)を一旦封印し、(3)だけを持ち出したものと推測される。眞子内親王が二十歳を迎えられ、やがて、ご結婚という大変おめでたいニュースも待たれるが、これを機に、皇族方の減少が一段と叫ばれることになり、この危機を解決する手段として、「女性宮家」の創設を容認する空気が日本中に蔓延することが予想される。「女性宮家」の創設とは女系天皇に至る布石であると断じざるを得ない。

筆者は、もちろん「女性宮家」と女系天皇には反対の立場であり、これまでの皇統の歴史を踏まえた男系の維持を心から願っている。だが、皇統をめぐる議論を始め、皇室の問題は本質的には皇室にお返しするのが筋ではないか、と考えている。仄聞するに、先述した「有識者会議」の中には「なぜ、私が選ばれたのか分からない」とまで言い出す委員や女性学の専門家もいたことから、結論ありきの女系容認会議であったと推測したくなる。よって、もちろん、このような会議を尊重する必要はない。だが、より肝心なことは、国民が皇室に関する事柄、とりわけ、皇統に関する事柄に口を挟んでいること自体がそもそも烏滸がましいのである。

不敬にも、占領憲法第1条には「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は,主権の存する日本国民の総意に基く」と書かれている。この内容から判断すると、天皇の地位およびその存否は国民の議論を通じて決定されても良いことになる。皇統は国民の側が握っている。従って、神武天皇以来2600年以上も続いてきた男系継承という我が国の誇るべき伝統でさえもいとも簡単に破られようとしているのが現状である。何と、嘆かわしいことであろうか。

現在、罷り通っている占領典範は、GHQの占領期に占領憲法の公布とともに明治典範と差し替えられた、皇室弾圧法に他ならない。従って、これも無効である。また、明治典範では「皇族会議」と呼ばれる機関が存在しており、「成年以上ノ皇族男子ヲ以テ組織」され、皇室の自治と自律が守られていた。しかし、占領典範では、これを廃止して皇室の自治と自律を奪い、「皇室会議」という一字違いの期間が設置されている。その会議の「議員は、皇族二人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人」の十人である。皇族議員は二人にしか過ぎない。これが現状である。つまり、皇統という恐れ多い神域においてすら皇室の自律的な決定権はなく、国民主権という愚かな思想のもと、国民が口をはさむ構造が出来上がっているのである。まずは、皇室のことは皇室で決めていただくという態勢が必要である。女系だとか男系だとかの議論の前に、GHQの不敬な皇室弾圧法から皇室を一刻も早く救いだし、元の形にお戻しすることが先決である。

南出喜久治氏は「その真柱の皇家に自治と自律がないことは、国家に自治と自律がないこと、すなわち独立を失うことの相似象である。中心の空洞化は、全体の虚無性をもたらすのである」と述べている。我が国が戦後十分に独立を果たせていない理由は、国民が皇室の自治と自律を犯していることに起因するのかもしれない。ともかく、一刻も早く、占領憲法の無効宣言をし、皇室典範も明治典範にお戻しし、御皇室に対してこれまでの無礼を謝らなくてはならない。

【参考文献】 
南出喜久治著 『とこしへのみよ』 好評発売中!!
八木秀次著 「女性宮家の創設は荊の道の始まり」
阿比留瑠比著 「政府文書から見えた皇室典範改正の『裏』」


とこしへのみよ


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