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真正護憲論 「講和条約説」③

前回に続き、占領憲法の「講和条約説」にこだわってみたい。なぜ、これにこだわるのかというと、この説により、占領憲法が限定的に生かされ、戦後の法的安定性が確保されるという利点があるからである。しかし、それだけではない。占領憲法を講和条約として解釈することで、占領憲法の正体が判明するからだ。つまり、その成立過程を詳細に追求することで、占領憲法はまさに講和条約に他ならないということが浮かび上がるのである。

「無効規範の転換」により、(単独行為規範としての)占領憲法が(契約としての)講和条約に転換するという理論は、何も法理論を駆使したテクニカルな技ではなく、実態に基づき、成立過程の真実を見極めたからこそ、断言できる理論なのである。以下、関連する南出先生の文章を引用した。


≪そして、さらに、無効な憲法(A)から有効な講和條約(B)への転換が認められるための前提要件としては、無効な憲法(A)の内容に講和条約(B)としての国家間の合意がなされたと同視しうる実質的な事情とその合意事項が存在していなければならないということである。これがなければ凡そ講和条約(B)へと転換しうる適格性がなく、その前提を欠くことになる。

そして、前章で述べたとおり、裁判所の裁判例によれば、このような前提要件を満たせば、たとえば、無効の遺言(単独行為)が死因贈与(契約)に転換することを認めているのである。それゆえ、このことと同樣に、憲法形式によって単独行為(規範)として定立されたものが無効であるとしても、それがこのような前提要件を満たすならば講和条約という契約(規範)へと転換しうる可能性があるということになる。

本来ならば、純粹に国内法の領域に関する事項であれば、その適格性はないことになるが、占領憲法は、実質的にはGHQによる内政干渉的な要求を我が政府がこれを承諾してなされた合意であるから、その適格性があるということになる。つまり、字句の微細な相違はあっても、GHQ側の講和条約案である「GHQ草案」の要求項目と、最終的な占領憲法(東京条約、占領憲法条約)の規定事項とは、その後の交渉経緯からして概ね一致しているので、全体として占領憲法には講和条約としての転換適格性が認められることになる。

ただし、転換により異なる規範として「成立」することを意味するだけであって、転換がなされれば、當然に「有効」となるものではない。その意味では、転換適格性とは、転換の成立要件であって、効力要件ではない。特に、講和条約(東京条約、占領憲法条約)へと転換して効力を得るためには(発効するためには)、時際法的処理がなされることが要件となることは前述したとおりである。≫ 


「無効規範の転換」を行うためには該当する両者の規範が択一的関係であることが要求される。なぜなら、憲法なるものが条約という別の性質のものに転換するためである。そして、そのとき、無効な憲法が条約として認められる条件ががあるのかどうかが問題となる。引用にもその条件は、少し述べらているが、そのほかにも山ほどある。というか、実質やはり占領憲法は講和条約なのである。それについて、次回述べる予定だ。

[参考資料]

南出喜久治著「國體護持総論第4巻」
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