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真正護憲論(新無効論)の実現性

 真正護憲論はご存じのとおり、占領憲法の無効を理論の中核に据えている。大まかに述べると、我が国の国体を否定する「憲法」は当然無効だとする理論である。また同時に、真正護憲論は「旧無効論」の難点を克服することも目的としているため、「新無効論」とも呼ばれる。しかし、「無効」という刺激的な言葉を受け、まるで革命的な内容の論であると勘違いしている人も多い。しかし、真正護憲論は「旧無効論」とはことなり、極めて実現性の高い理論なのである。本日はその理由を述べたい。以下、南出先生の文章を引用した。


≪「真正護憲論(新無効論)は、帝国憲法第七十六条第一項は、『無効規範の転換』の法理を示す評価規範であることを明らかにし、これによって、占領憲法は帝国憲法第十三条に基づく講和条約(東京条約、占領憲法条約)として評価され、一連の講和条約群の中間に位置するものであるとしたこと。」である。
 帝国憲法第七十六条第一項は、「法律規則命令又ハ何等ノ名称ヲ用ヰタルニ拘ラス此ノ憲法ニ矛盾セサル現行ノ法令ハ総テ遵由ノ効力ヲ有ス」と規定する。この規定の性質について、これを「有効解釈の原則」を規定したものとの見解がある。立法者の意思を尊重して、不備や軽微な違反があったとしても、できるかぎり有効と解釈せよとの原則のことである。これも評価規範の作用に属するものではあるが、評価規範は、必ずしも有効に解釈せよとの「方向性」が定まったものではない。成立要件である行為規範の基準とは別個に、有効か無効かを評価するといふものであって、「初めに結論ありき」の方便のためのものではない。
 あくまでも、「此ノ憲法(ノ趣旨)ニ矛盾セサル」ことを要件として、それが満たされれば「遵由ノ効力」があるということである。成立手続に軽微な違法があっても、憲法に矛盾しないということは、成立要件に違反して無効となる「成立違法」ではなく、事後的な評価としての効力要件に違反して無効となる「評価違法」のことである。≫


 精緻な説明は筆者の能力を超えるが、簡単にまとめるとこういうことだと思う。一般的に、ある法が否定されたとき、その下位の法もまた効力を失うとされ、社会に混乱と無秩序を招く恐れがある。無効論を「とんでも説」だと思う人はこの点を挙げることが多い。しかし、帝国憲法はこういった事態を想定しているのである。引用の「何等ノ名称ヲモチヰタルニ拘ラス」とは、例えば、条約を憲法と云う名称で誤って用いてしまった場合などを想定している。そして、「此ノ憲法(ノ趣旨)ニ矛盾セサル」とあるが、これは、帝国憲法に矛盾しない限りは、「無効規範の転換」により憲法よりも下位の法として認められるということなのである。こういった理由から、占領憲法は憲法としては無効であるが、講和条約としては認められるのである。ともあれ、これにより、占領憲法下で作られた現行法の安定性は確保される訳である。

参考文献 南出喜久治著 『とこしへのみよ』(近日発売!!!)
  
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