スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

これからの時代の思想 ― まほらまと(自立再生論)

3.11の津波・大震災から早や4か月が経過した。まだ、復興の見通しすら立っておらず、多くの被災者は避難所生活を強いられている。それに追い打ちをかけるのが原発事故による放射能の恐怖である。日本の住民は今、目に見えない敵に脅えている最中である。にもかかわらず、原発推進派は相変わらず原子力エネルギーに望みをつないでいる。一方、反対派はその即時廃止を訴えている。どちらの意見が正しいのか、という議論はここでは控えたい。ただ、この期に及んで、エネルギー政策という一つの部門においてすら意見が一致しないこの現状から、いかに、日本人がこれまで、この部門においてコンセンサスを形成してこなかったかが分かる。そして、その理由を勘ぐると、我々には政策が欠如していたのではなく、思想が欠如していたことに気付かされる。以下、南出先生の文章を参考にしていただきたい。


《振り返って我が国と世界の現状を考察するに、今や国の内外における政策の行き詰まりや矛盾が山積みされている。一つの問題を解決するために小手先の付け焼き刃的政策を行い、そのために却って多くの問題が発生するというような、イタチごっこの有様である。このような混迷の原因は、「政策」の誤りだけでなく、その根本となる「思想」の誤謬にある。「現代は政策の時代であって思想の時代は終わった」との巷の喧伝は流言蜚語の妄想にすぎない。現代は政策繁多な時代ではあるが、逆に、それらを制御統制する明確な思想が欠如している時代なのである。そして、聞こえはよいが実現性のない空想論や建て前論、提唱者自身ですら自己規律しえないような精神論だけが賑わいでいる。今こそ、日本を救い、世界を救うための世界思想が確立し実践されない限り、このままでは、日本はおろか世界や地球に未来はない。
これまでに起こった大規模な異常気象や天変地異は、生活環境の変化と食料の欠乏などから、国家の滅亡、民族大移動、内乱、革命、戦争などの異変をもたらしてきた。平和時に構築された法体系は、そのときには役に立たず、喧しく主張されてきた自由と人権は空文化し、実定法の脆さを実感してきたのが人類の歴史である。これからも、想像を絶する「変局時」に遭遇する危険は益々高まってきた。現在、国境や地勢地形区分を越え、人種・民族・宗教の区別なく、地球規模で生態系環境の汚染と破壊が進行し、それが近宇宙にまで拡散している。成層圏の異変(フロン、ハロン、亜酸化窒素などによるオゾン・ホールの拡大など)、対流圏内の大気の汚染、海洋・河川・湖沼・地下水などの水質汚濁と化学物質及び放射能による水質汚染、作物土壌などの化学物質汚染及び放射能による地質汚染など枚挙に暇がない。さらに、これらの汚染が気象現象などによって地球全域に拡散して生態系に複雑に組み込まれ、これに自然現象や人為的な要因も加わる。そして、再生不能な伐採と酸性雨や旱魃等の災害による熱帯雨林などの森林の消失と砂漠の拡大、有害異物の大気飛散と広域雨散、飲料水・食物・資源の汚染、公害病、奇病、奇形の発生など人類その他の動植物の生体内汚染と異変、種の絶滅の危機、というように生態系全体の汚染と破壊が進行している。生態系環境の汚染と破壊の範囲は、いわゆる「天・地・人」の地球総ての事象に及んでいる。》


これまで提示されたエネルギー政策は幾多に及ぶことであろう。しかし、それらのほとんどが実現していない現状を顧みると、それは、実現する側の人間の思想に軟弱さがあったからだ、と言わざるを得ない。では、今後人間はどのような思想を持てばよいのか。ここで、それをぜひ提示しておきたい。それは、今後、子孫が未来永劫安心して暮らせる社会を実現するためのものでなければならない。つまり、自立再生という思想(まほらまと)である。そして、その根底にあるのが、ご先祖様から受け継いだ土地を子孫に継承するという我が国の伝統的な考え方である。そうすると、毒性が数万年も消えない放射性廃棄物を残す原子力エネルギーでは自立再生社会に至らないことは言うまでもない。

引用典拠:南出喜久治著 『まほらまと』(好評発売中)
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。